五十肩について

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五十肩の真実

五十肩とは?

肩の痛みでよく知られているものに四十肩・五十肩があります。四十肩・五十肩は痛みと動きの制限を特徴とする症状で、医学的には肩関節周囲炎と呼ばれる状態の一般的な俗称です。この症状は、関節を包んでいる「関節包」とその周囲の軟部組織が炎症を起こし、やがて癒着して著しい可動域制限を生じるため、癒着性関節包炎とも言われます。


好発年齢は40〜60歳。

発症割合は年齢層ごとにいうと40代で約5〜10%、50代で約10〜20%、60代で約15〜20%の方にみられます。男女差はほぼ同程度と言われますが、閉経後のホルモン変化が影響している可能性もあり、やや女性に多いという報告もあります。両肩に起こるケースもあり全体の10〜20%程度が両側性とされています。

症状の経過 (3つの時期)

肩関節周囲炎は以下の3つの時期を経て徐々に改善していきます

炎症期(痛みの強い時期):0〜3ヶ月 

 →安静時や夜間にも強い痛みが出現

凍結期(可動域が狭まる時期:3〜9ヶ月 

 →痛みはやや軽減するが、動かしにくくなる

氷期(回復期):9〜24ヶ月 

 →可動域が少しずつ改善していく


しかし、経過観察のみでは40%の方に何かしらの機能制限が残ると言われています。

なぜ自然治癒に時間がかかるのかというと、拘縮→瘢痕化→線維化→再構築のサイクルが遅いため、自然回復する例でも1年〜2年以上かかります。糖尿病などの代謝異常があると長期化しやすくなります。「痛みで動かさないことで悪化する」という負のスパイラルに陥りやすいことも回復が遅くなる一因です。

原因の深掘り

主な構造的原因には以下のものが挙げられます。


①関節包の線維化・拘縮

 中心病態となるのは関節包の線維化と肥厚です。炎症により滑膜で線維芽細胞が増殖し、コラーゲン沈着が進行することで滑走性低下と可動域制限が生じます。


②滑液包や腱板周囲の慢性炎症

 棘上筋下滑液包に軽度の滑膜炎がおき、腱板や上腕二頭筋長頭腱非特異的な変性が見られることがあります。


③関節内癒着と血流障害

 肩関節前方の関節包が癒着・短縮し、さらに回旋筋腱板と関節包の間に癒着形成します。血流低下が関与している可能性もあります。(MRIで信号低下領域あり)


④自律神経・交感神経の関与

 慢性期から拘縮期には交感神経活性の上昇が関与している。これにより血管収縮→虚血→線維化という悪循環が生じる可能性がある。CRPS(複合性局所疼痛症候群)との関連を示唆する報告もあります。


⑤全身性代謝疾患との関連

 糖尿病患者に五十肩の発症率が約2〜4倍と言われています。また、AGEs(糖化最終産物)がコラーゲン変性・線維化を誘発します。他、甲状腺疾患や心血管疾患、パーキンソン病との合併例もあります。

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